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まんべんだらり??? [随筆]

   まんべんだらり ???
 先日テレビを何気なくつけていたら、「まんべんだらり」と言う人がいて、どきっとしました。「のんべんだらり」なら「のんべんだらり(だらだら)と過ごす」というように使いますが、「まんべんだらり」という言葉は初めて聞いたからです。気をつけて聞いていると、どうもその人は「のんべんだらり」という言葉を「まんべんだらり」と思い込んでいるようなのです。 
 オリンピックの柔道の中継の時にも、アナウンサーだったか、解説者だったか忘れましたが、「胸のすくうような投げでしたねえ」と言っているのを聞いて、思わず笑ってしまいました。「胸のすく(すかっとする)ような」を言い間違えた(あるいは、その人がそう思い込んでいる)のでしょうが、「すくい投げ」と一緒になってしまったようで、おかしかったのです。 
 BSでは、スポーツニュースで、「新記録をキリツしました」と言っていました。一瞬「キリツって何だろう」と思いましたが、すぐに「樹立(ジュリツ)」をそう言ったのだろうと気づきました。 
 「油に火を注ぐ」と言っていた人もいました。 
 「どうしたらこの記録を破ることができるかどうか」というような言い方もよく耳にします。何か変だと感じませんか。 
 「ユウコウテキ」という言い方も、最近よく耳にします。「友好的」の意味ならいいのですが、どうも「有効的」という使い方をしているとしか思えない場合もあります。「今の攻め方はユウコウテキでした」などという言い方です。「有効的」は、私には、しっくりしません。 
 昔、ラジオで、誰とは言わないが、有名な元投手で、監督もしたことのある方が、「テンカ(天下?)のホウトウ(宝刀)」と何度も大声で繰り返していたのを思い出しました。言うまでもなく、「伝家(デンカ)の宝刀」をそう思い込んでいたのでしょう。
 人のことばかりは言えません。私も「立錐(リッスイ)の余地もない」をしばらく「一睡(イッスイ)の余地もない」と思い込んでいました。
 「取り付く島もない」を「取り付く暇もない」と思い込んでいる人はかなりいます。
 誰しも思い込みというものはあるものです。こういうのは、おそらく「耳学問」で、耳で聞いただけでわかったような気になり、辞書などで確かめてみないから起こるのだろうと思います。
 大人になると、多くは、誰も注意したり教えてくれたりしないので、そのままになってしまうのでしょう。 
 中学生の(最近はかなりの年の人も)よく間違って覚えている言葉に、「フインキ」があります。「雰囲気」と書くということがわかれば、「フンイキ」に違いないのですが、「耳学問」だけで終わってしまうから、「フインキ」などということになるのだと思います。
 小学生などでは、「体育」が「タイク」だったり、「気をつけ」と書くべきところを「きょーつけ」と書いたりします。
 人と話をしている最中に、いちいち「ちょっと待って」と辞書を引くわけにはいきませんが、「耳学問」だけで終わらないように、時には、辞書を引いて確かめたりしたいものです。
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